=東北の早春・花輪線紀行=

 岩手の県都・盛岡から西に向かい、秋田県北部の町・大館へと抜ける「花輪線」。
 名峰・八幡平に連なる山並みを、ディーゼルカーが喘ぐようにして越える山岳路線です。
 「東北北部のローカル線の旅」といえば、弘前(川部)〜能代(東能代)を海沿いに遠回りする五能線が有名ですが、そちらを"海の代表"とすれば、花輪線は、同じく盛岡から東に向かう山田線とともに"山の代表"と言えるかもしれません。

 空いた普通列車が一日約十往復、内陸の自然の中を駆け抜ける。
 そして、昔ながらの駅や車内………こうしたローカル線は普通、イメージとは逆に、駅の無人化やワンマン運転のために車両・設備が近代化されている場合が多いのです。が、ここではどうした事情なのか、国鉄時代以来の気動車の中でも古い"キハ58型"と"キハ52型"だけが走り、しかも昼間から車掌を乗せて二両以上の編成を組んでいます。そして有人駅も多く、温もりや安心を与えてくれます。

 二〇〇五年の早春、時ならぬ雪が降る中を、まさにその通りの花輪線に乗ってきました。
 ボックスシートが並び、客室とデッキが仕切られた、昔の急行列車そのままの車内。流れる車窓を見ると、山越え区間では深緑の樹海が間近に続き、平地では田んぼの向こうに白い八幡平がそびえ続ける………。私に限らず、「旅鉄」にはうってつけの路線だったのですが、なんとはなしに紹介し損ねてきました。

「来春、キハ110系が花輪線・山田線に転属」

 しかし、去年の暮れにそんなニュースを聞き込んで、宿や切符ともども急遽まとめてみようと思い立った次第です。
 沿線に大きな町もなく、八幡平・安比高原といった観光地は若干あるも、東北自動車道が沿っていて車に完敗の状況…ということを考えるとやむを得ないのかも知れませんが、幸い、一気に取り替えられる訳ではない様です。また、東京から大館・盛岡、大阪から大館までは列車一本で行くことができ、沿線を割安に周遊できる切符もあります

 筆者もあと一度ぐらいと思っていますが、今年あたり、旅鉄の皆様も出かけられてはいかがでしょうか。 



『東北の早春・花輪線紀行』入口


ガイド(大人向けの格安切符・ひとり旅の宿)
このガイドは、本文(アルバム3ページ)に続いて見られる様にもなっています。なお「乗り鉄向けの撮影スポット」については、本文の写真・記述を参照してください。



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